★ヴィンテージ・アキュトロンと音叉時計のオーバーホール修理 アキュトロンドクター★



フルオーバーホール修理★


当社のフルオーバーホール修理は
『全分解・清掃洗浄・修理・部品交換・注油・組み立て・位相修正・位相調整PET・電圧調整』
の工程を行います。

これから永く使って頂けるように、それぞれの経年状態に合わせた送り機構の「位相の修正と調整」
までを期間を掛けて(数週間)行います。

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日々の音叉時計修理をアップしています。



『これから50年使える音叉時計』をレストア(復元)のモットーとしております。

未整備による摩擦、抵抗の多い状態で稼働させることは、コイルと回路にダメージを与え
コイル断線の一番の原因になります。

ヴィンテージ音叉式電子時計の修復技術は日進月歩。原因不明と諦められていたような動作不良も
必ずファクターを特定し解決しています。日本に於いて”電子時計修理”の教育機関は無く(時計学校、
時計修理技能士は機械式の専門家)、マニュアルの通用しないヴィンテージ音叉時計の修復に必要
な技術は、物理、電気工学の知識に加え、音叉時計修理の実践データの蓄積とその分析応用力が
7割、そして時計修理の技能が3割程度で、生涯研究と思っています。旧態依然とした作業に陥らず
年を追う経年変化に合わせ常に修復法を研究、刷新しています。

Repair technology for tuning fork watches progress rapidly. We are constantly researching and
renovating repair methods in line with aging, without getting stuck with old work. In particular,
we will identify the factor and solve the problem such as the operation failure that
we gave up as unknown cause.

'60〜'77年まで製造された全ての音叉時計は平均年齢50歳を超えました。(2019年) 
中古市場で4、5万円という安価で音叉時計が売られていても、輪列その他、劣化した部品までもが
交換まではされているかどうかは疑問です。よって保証は大切です。機械式時計の10倍以上の精度を
要する音叉時計整備は、ヴィンテージのコンディションに合わせた1μ(1/1000mm)単位の修正です。
しかし機械式ヴィンテージ時計修理の国内平均保証(6ヶ月)の2倍の1年間保証をお付けしております。
壊れにくい武骨なヴィンテージ機械式時計の保証よりも長い保証は入念なサービス(整備)を完了させた
品質の証でもあります。



1.レート(歩度)調整

(1)精度について

日差1分以上など当たり前のヴィンテージ音叉時計ですが、当社で整備させて頂く個体につきましては
全て日差±2〜8秒以内(平置き)に調整しております。米国のアキュトロンレストアのスペシャリスト
Martin Marcus氏( accutron214.com主催)の修理基準月差4分以内に準じて仕上げております。

ちなみに音叉時計発売当時のメーカー公称値の日差(平置き)は2秒と公表されていました。

※今日でも月差1秒に満たない様な個体もありますが、単純に個体差であり、全てに当てはまるもので
はありません。




(2)『音叉時計姿勢誤差修復法』(PET), PET(Positional Error Treatment)for Tuning Fork Watches.



40年以上一度もメンテナンスを受けていないであろう音叉時計が現在でも当時の精度で動いている
という事は、少なからずあります。機械内部は摩耗が進んでおり、インデックスホイールの歯、ギアの
ホゾは削れ、それでもいよいよ動かなくなり潰れる寸前まで精度を保ち動き続ける個体さえあり、音叉
時計が持つ高い信頼性の一端を垣間見ることもございます。仮に、調子の悪い症状が出てきたとしても
気づかないよりは幸運な事ではなかろうかと修復する側としてはそう考えています。ところで、ヴィンテージ
音叉時計のよく見られる最大の欠点の一つは『姿勢誤差』です。古い音叉時計は、平置きにしておくとある
程度良好に時間を保ちますが、着用すると、止まる遅れる進む等の現象が起こり1日に数十秒から数時
間の誤差が生じる場合があります。

主な原因は次のとおりです。

・ギアトレインの欠陥
・電子部品の経年劣化
・調整の不備

これらすべては、当社のオーバーホール作業で修復されます。
PETはヴィンテージ音叉時計特有の『姿勢誤差』をほとんど排除する当社独自の修復法です。 どの様な
姿勢差が繰り返されても、修理後の時計の『姿勢誤差』が±3秒以内に収まる品質が保証されています。

当社でOHを続けられる限り、品質保証はOH毎に必ず更新させて頂いております。

※『姿勢誤差』については後述いたします。

One of the biggest drawbacks of vintage tuning fork watches is positional error. The watch with
a problem keeps good time when placed flat, but if worn it will cause an error of tens of seconds to
several hours a day.

The following causes are the main

・ Inadequacy of adjustment
・ Fault in the gear train
・ Deterioration of electronic parts

All of these will be repaired in our overhaul work.
We warranty that positional error of the watch after repair does not exceed ±3 seconds a day,
no matter what position change is repeated.




(3)精度保証

・日差 ±2〜8秒(平置き)
・着用日差 ±5〜11秒(日差にPETの『姿勢誤差』3秒を足した値)

通常使用上、この範囲を超えない事を保証いたします。


音叉時計の姿勢差につきましては、参考になる記事がありましたので、下記をご一読ください。

”シチズンハイソニックに使われている音叉には必ず等一量の姿勢差があります。これは音叉が水平の
とき(注:平置き)を基準とすれば、音叉を上向きにすると重力の影響で遅れ、下向きにすると進み傾向に
なるからです。音叉が上向き(12時位置が上)のときと、下向き(12時位置が下)のときに姿勢差は最大になり、
シチズンハイソニックでは約9秒程度でこれ以上の姿勢差はありません。腕に携帯中音叉が上向きの姿勢は
ほとんどありませんので実質の姿勢差は4.5秒/日程度といえます。” 
(『シチズン技術解説書 Cal No.37』より抜粋)

少々わかりやすく説明させて頂きます。24時間音叉を上向きの状態にして日差を計測した場合、
日差は、+4.5秒になります。逆に、音叉を下向きの状態にして日差を計測した場合、日差は、-4.5秒に
なります。よって姿勢差は、最大で±4.5秒の範囲内で、これ以上の誤差は生じません。9秒というのは
単に最大域(4.5x2)の事を言っています。

※この解説書では、『姿勢差』は、『着用日差』の事を指しています。

『姿勢誤差』について
着用日差−日差=姿勢誤差、となります。上記では、ハイソニックの日差は、当時±2秒でしたので、当時の
『姿勢誤差』は±2.5秒ということになります。


通常、時計の経年劣化、摩耗とともに、姿勢誤差の値は大きくなっていきます。平置き、直立で調子が良いのは、
どの古時計にもみられる現象です。姿勢誤差数十秒の古時計など、アンティーク市場においては当たり前の
ように、流通していますが、こと音叉式電子時計に限りましては、当社にとって専門分野である以上、その程度の
誤差は不具合ととらえ、”姿勢誤差±3秒”の個体へと復元し、オーナー様の元にお返しさせて頂いております。
機械はクリーンで正確、そして安心して着けられる音叉時計ほど愛着の高まるものはありません。
多くのお客様に喜んで頂いております。




2.輪列


Cal.(キャリバー)214、後継のブローバのCal.218系(シチズン、ユニバーサルジュネーブ含む)、その後の
IWC、オメガ、ラドーなど全てのスイス製音叉時計、これら全てレイアウトこそ異なれ
基本原理は同じですので、メンテナンスの注意点も同じです。 ※全て音叉時計の生みの親であるスイス人
エンジニアのMAX HETZEL博士が設計、開発したムーブメントです。

音叉時計は機械式時計と同じく、歯車の連なりであるギアトレイン(輪列)により動力伝達しています。
歯車の軸は上下を人工ルビーの穴石(受石)で支持されており、正常であれば摩耗を防ぐための潤滑油が
留まっているべき箇所です。時間の経過と共に注油されたオイルが乾燥・劣化し、油切れの状態になり歯車の
軸は穴石によって削られてゆきます。一旦削られると鉄粉がやすりの働きをし摩耗は加速度的に進行して
ゆきます。インデックスホイールは、24時間で、216,000回も回転しています。(Cal.214)

時計修理技術者は機械の原理を理解していますので、オイル切れ、オイル粘りの未整備品をしばらく動かす
事だけでも心底気が咎めます。


   
 アキュトロン214の輪列
穴石
(油溜りは潤滑油が留まる窪みです)


摩耗が進行している状態
このような状態でも動き続けます。

潤滑油は、5年を待たず完全に消耗します。摩耗を進行させない事は音叉時計を長く使っていく上で重要なポイントです。
整備歴不明、もしくは5年以上オーバーホールされていない音叉時計であれば必ずオーバーホールを受けてから使用
してください。
精度の良し悪しは関係ありません。

   
摩耗した歯車  新しい歯車




3.圧力調整と使用電池

<アキュトロン214の場合>
Cal.214は、1.35Vの水銀電池で稼働するように設計されていますが、環境問題からすでに製造されて
いません。そのため、現行の1.55Vの酸化銀電池で動かすように調整されているアキュトロン214が多く
ありますが、個体によっては、コイルとインデックスホイールに影響が無いとは言い切れません。現在のところ、
ほとんどのアキュトロン214は、1.55Vを使用すると音叉の振幅が、目に見えて大きくなりますので、インデックス
ホイールの回転は早まり、時刻も極端に進みます。これを爪石(バネ)の接触圧でブレーキ抑制させるのが、
1.55V調整です。約50年前の時計であり、大なり小なり機能低下しておりますので、よりパワーのある1.55V
の電池を使うと確実に動きます。1.4V以下で調整するほうが手間と時間が掛かります。
1.55V調整自体は難しい調整ではありません。調整は安易、且つ、容量が大きい1.55V電池が使える為に
電池は一年弱持ち、電池交換頻度が少ないという手軽さは、米国の一般消費者の気質にマッチしています。
たからこそ、現在主流になっている調整方法です。当社では、基本は電圧のほぼ近い1.4Vの市販電池や、
アキュセルワン(1.35V)を使って1.35V調整しています。相性が合い、アキュセルワンが使えるのであれば、
それはベストの選択と言えます。1.55Vの使用をご希望の方には、もちろん1.55V調整を行っております。

※音叉磁石の減磁等、経年劣化による発振力の減少が生じている個体では、1.4V以下では発振自体しない
ものもございます。その場合には、1.55Vを使用いたします。

※1.4Vの市販電池ですが、90年代末には全て水酸化カリウム使用(ドライタイプ)に切り替わっており安全です。
アキュトロンに使用しても全く問題はございません。改良前はアルカリ金属水酸化物使用(ウェットタイプ)
でしたが、これは構造上液漏れを起こしやすい問題点があり、電解液が塩基性のためにムーブメントが腐食
して不動になった例もあったようです。 そのため今も一部で危険と誤認されています。私はこの約20年間
アキュトロンに1.4Vを使用し続けておりますが、トラブルは皆無です。お客様にも責任を持ってお勧めしています。


コイルアッセンブリー
重要部品であるコイル、回路、バッテリー端子を含む一体ユニット。



<218、ハイソニックその他スイス製音叉時計>
Ca.214以降の音叉時計はコイルアッセンブリーのキャパシティーが1.7Vまで対応
できるように余裕をもって設計されておりますので、電圧が1.55Vの現行の電池を使っても問題はありません。
逆に1.4V以下を使うと、電池容量が下がった時に止まることが多いです。このため、市販の1.55Vの酸化銀
電池を使うようにセッティングしています。過発振は生じない為に、コイル、モジュール、インデックスホイール
に対し悪影響はありません。




4.送り爪、止め爪の位置調整

     
送り爪がインデックスホイールを
回転させる様子(ハイスピードカメラ)
送り爪と音叉  


(1)未使用のインデックス
ホイール
 
(2)正常摩耗の
インデックスホイールの一例
 
(3)異常摩耗の
インデックスホイールの一例
  (写真は500倍率)

止め爪、送り爪の調整は、音叉時計が安定して稼働し続けうる根源で、オーバーホール中
最も重要で根気の要る作業です。調整具合はインデックスホイールの耐用年数にも直結します。
個々の時計の状態、特にインデックスホイールの摩耗に合わせた1/1000ミリ単位の唯一無二の
調整を行いますが、摩耗の進行を緩和する無理の無い調整を極限まで追求しています。
調整、稼働、経過観察を週単位で行いますので、状態によりお時間を頂く場合が御座います。




5.分解清掃

汚れ、錆はムーブメントだけではなく、ケースの見えない部分も浸食してゆきます。

   
長年オーバーホールを受けていなかった状態



当社独自の技術により修復いたします。


   



定期的な分解清掃は、時計の寿命を延ばす目的があります。





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